高大接続活動
第38回東北大学高等教育フォーラムを開催しました
令和5年5月17日(水)東北大学百周年記念会館川内萩ホールを会場として,第38回東北大学高等教育フォーラム「国立大学におけるアドミッションセンターの現在と将来―よりよい大学入試の実現を目指して―」を国立大学アドミッションセンター連絡会議(※)20周年記念企画シンポジウムとの共催で開催しました。
本フォーラムは,例年,春と秋の年2回開催しており,春のフォーラムでは高大接続・入試関連の企画を実施しています。
現在に至るまで,国立大学における「アドミッションセンターとは何なのか?どうあるべきなのか?」という存立基盤にかかわる根本的な問いが投げかけられたことはありませんでした。その結果,それぞれの解釈に沿って各大学にアドミッションセンターに相当する組織が運営されて現在に至っています。大学入学者選抜制度が大きく揺れ動く中,現状のままで果たして次の10年を無事に乗り切れるのか。今回のフォーラムでは,近未来のよりよい大学入学者選抜制度に向けた「アドミッションセンターの将来像」に関し,大学・高等学校関係者の視点から議論することを目的として開催いたしました。
当日は,「来場参加」と「オンライン参加」によるハイブリッド方式での開催となりましたが477名が参加し,関心の高さをうかがわせました。
大野英男総長及び文部科学省高等教育局大学教育・入試課大学入試室の平野博紀室長の挨拶による開会の後,倉元直樹教授が「国立大学アドミッションセンター連絡会議20年の歩みと今後の展望」と題して基調講演を行いました。
続いて,大正大学の福島真司教授が「私立大学における入試研究の課題―国公私を横断する入試研究への期待―」,青森県立弘前中央高等学校の齋藤郁子校長が「高等学校から見た高大連携と大学入試」と題して現状報告を行った後,山形大学の出口毅教育・入学試験担当理事・副学長を指定討論者とし「国公私立大学間並びに大学及び高校の関係性,アドミッションセンターの機能・使命・あるべき姿」等について各種討論が行われました。
最後に,滝澤博胤理事より「少子化が進む日本の中で、アドミッションセンターが各大学に根付き、その魅力を継続的に発信し続けることができれば、大学の持続可能性を確保することができるだろう」という旨の発言があり,フォーラムを締めくくりました。
※国立大学アドミッションセンター連絡会議(https://www.januac.jp)
平成15(2003)年6月4日の設立総会から今年で20周年を迎える。年に1度行われる全国大学入学者選抜研究連絡協議会の機会に総会を持ち,その時の課題に合わせて講演,事例発表,討論,シンポジウム等の活動を行っている。会員校は発足当初の13校から徐々に増加し,令和5(2023)年5月現在で42大学42機関となっている。
東北大学高等教育フォーラム開催一覧(高大接続関係)
東北大学高等教育フォーラムは年2回,春と秋に開催しており,特に春の部においては高校と大学との関係を取り上げ,高大連携や高大接続について議論を行っています。
実施日 | タイトル | 講演・現状報告 | 参加人数 | 報告書 |
---|---|---|---|---|
第1回 H16.12.13 | 新時代の大学教育を考える -新教育課程における高校理科教育の現状- |
基調講演者2名 (広島大,東北大), 現状報告者3名 |
58名 | DL |
第2回 H17.5.20 | 新時代の大学教育を考える(2) -高校での数学教育の現状と東北大学の入試・教育の課題- |
基調講演者2名 (東北大,慶応大), 現状報告者3名 |
143名 | DL |
第4回 H18.5.18 | 新時代の大学教育を考える(3) -高校英語教育の現状と東北大学における英語教育- |
基調講演者2名 (茨城大,東北大), 現状報告者3名 |
124名 | DL |
第6回 H19.5.17 | 理科実験の可能性を探る -高校・大学での実践例と東北大学の挑戦- |
基調講演者1名 (北大), 現状報告者3名 |
106名 | DL |
第8回 H20.5.16 | 高校教育と大学入試:「AO入試」の10年を振り返る -接続関係の再構築に向けて- |
基調講演者2名 (東北大,福井大), 現状報告者3名 |
177名 | DL |
第10回 H21.5.15 | 高大連携活動:学習意欲の喚起と大学への橋渡し -大学体験型イベントの教育効果と大学入試- |
基調講演者2名 (新潟大,長崎大), 現状報告者3名 |
122名 | DL |
第12回 H22.5.21 | 良質な大学入試問題の条件 -テストの理論と現場の工夫- |
基調講演者2名 (中京大,東北大), 現状報告者3名 |
207名 | DL |
第14回 H23.9.2 | 学習指導要領と大学入試 -高大接続の原点を探る- ※東日本大震災による日程変更, 国立大学協会平成23年度大学改革シンポジウムとの共催 |
基調講演者1名 (大学入試センター), 現状報告者3名 |
158名 | DL |
第16回 H24.5.18 | 進路指導と受験生心理 -大学選びのメカニズムを探る- |
基調講演者2名 (筑波大,佐賀大), 現状報告者3名 |
205名 | DL |
第18回 H25.5.24 | 「書く力」を伸ばす -円滑な高大接続のために- | 基調講演者1名 (筑波大), 現状報告者3名 |
180名 | DL |
第20回 H26.5.16 | グローバル人材の育成に向けて -これからの高校教育・大学教育における課題- |
基調講演者2名 (文部科学省,東北大), 現状報告者3名 |
171名 | DL |
第22回 H27.5.15 | 大学入試改革にどう向き合うか -中教審高大接続答申を受けて- |
基調講演者2名 (京大,阪大), 現状報告者2名 |
355名 | DL |
第24回 H28.5.16 | 大学入試における共通試験の役割 -センター試験の評価と新制度の課題- |
基調講演者2名 (東大,東北大), 現状報告者2名 |
374名 | DL |
第26回 H29.5.12 | 個別大学の入試改革 -東北大学の入試設計を事例として- |
基調講演者1名 (東北大), 現状報告者4名 |
427名 | DL |
第28回 H30.5.21 | 「主体性」とは何だろうか -大学入試における評価とその限界への挑戦- |
基調講演者1名 (佐賀大), 現状報告者4名 |
403名 | DL |
第30回 R1.5.15 | 入試制度が変わるとき | 基調講演者2名 (筑波大,東北大), 現状報告者3名 |
371名 | DL |
第32回 R2.9.23 | 大学入試を設計する -「大学入試研究」の必要性とその役割-(YouTube動画を再生します) ※コロナ禍による日程変更, オンラインと対面のハイブリッド企画 (オンライン参加者284名,来場参加者91名) |
基調講演者2名(東北大2名), 現状報告者3名 |
375名 | DL |
第34回 R3.5.17 | 検証 コロナ禍の下での大学入試(YouTube動画を再生します) ※国立大学アドミッションセンター連絡会議との共催, オンラインと対面のハイブリッド企画 (オンライン参加者472名,来場参加者57名) |
基調講演者2名 (九州大,東北大), 現状報告者3名 |
529名 | DL |
第36回 R4.5.18 | 大学入試政策を問う ―教育行政と教育現場の『対話』―(YouTube動画を再生します) オンラインと対面のハイブリッド企画 (オンライン参加者434名,来場参加者107名) |
基調講演者2名 (国立教育政策研究所,東北大), 現状報告者2名 |
541名 | DL |
第38回 R5.5.17 | 国立大学におけるアドミッションセンターの現在と将来 ―よりよい大学入試の実現を目指して―(YouTube動画を再生します) オンラインと対面のハイブリッド企画 (オンライン参加者366名,来場参加者111名) |
基調講演者1名 (東北大), 現状報告者2名 |
477名 | DL |