高大接続活動
第36回東北大学高度教養教育フォーラムを開催しました
令和4年5月18日(水)東北大学百周年記念会館川内萩ホールを会場として,第36回東北大学高等教育フォーラム「大学入試政策を問う―教育行政と教育現場の「対話」―」を開催しました。
本フォーラムは,例年,春と秋の年2回開催しており,春のフォーラムでは高大接続・入試関連の企画を実施しています。今回のテーマは「大学入試政策を問う―教育行政と教育現場の「対話」―」。大学入学者選抜制度が変わるたび,高校も大学も対応に苦慮してきました。時には,相手側の無理解や無策に憤ることもあったかもしれませんが,高大連携の旗印の下,多かれ少なかれ「対話」が重ねられてきました。現場感覚では意義が見出せなかったり,実現不可能と思われるような教育政策が実施されることもあります。それは行政が現場の実情を理解していないことが原因なのか,それとも現場が政策の意図をつかみ損ねているのか。今回のフォーラムでは,その「対話」を教育行政と大学入試の現場で行うことを目的として開催するものです。
当日は,「来場参加」と「オンライン参加」によるハイブリッド方式での開催となりましたが過去最高となる541名が参加し,関心の高さをうかがわせました。
大野英男総長及び文部科学省高等教育局大学振興課大学入試室の平野博紀室長の挨拶による開会の後,国立教育政策研究所の浅田和伸所長が「教育の現場と政策と研究と―やはり「教育は現場が命」だ―」,倉元直樹教授が「大学入試のコンプライアンス―未履修,入試ミス,そして,コロナ対策―」と題して基調講演を行いました。続いて,山形県立東桜学館中学校・高等学校の延沢恵理子教諭が「地方公立高校の現場から」,東京都立八王子東高等学校の宮本久也校長が「入試をめぐる行政と現場との対話―高校入試と大学入試を比較して―」と題して現状報告を行った後,宮本教授,阿部特任教授を司会とし「教育行政と教育現場間の対話がこれまでどのように行われ,また今後どのように行われていくべきか」といった各種討論が行われました。
最後に,滝澤博胤理事より「教育者が100人いれば100の意見があり,その中から最適解を見つけるため,私達は様々な知識やデータ,経験等をポケットにしっかり詰め込んでおく必要がある。大学入試が高みを目指すためにも高校・大学・行政の3者でしっかり土台を整備していきたい」旨の発言があり,フォーラムを締めくくりました。

東北大学高度教養教育フォーラム開催一覧(高大接続関係)
東北大学高等教育フォーラムは年2回,春と秋に開催しており,特に春の部においては高校と大学との関係を取り上げ,高大連携や高大接続について議論を行っています。
実施日 | タイトル | 講演・現状報告 | 参加人数 | 報告書 |
---|---|---|---|---|
第1回 H16.12.13 | 新時代の大学教育を考える -新教育課程における高校理科教育の現状- |
基調講演者2名 (広島大,東北大), 現状報告者3名 |
58名 | DL |
第2回 H17.5.20 | 新時代の大学教育を考える(2) -高校での数学教育の現状と東北大学の入試・教育の課題- |
基調講演者2名 (東北大,慶応大), 現状報告者3名 |
143名 | DL |
第4回 H18.5.18 | 新時代の大学教育を考える(3) -高校英語教育の現状と東北大学における英語教育- |
基調講演者2名 (茨城大,東北大), 現状報告者3名 |
124名 | DL |
第6回 H19.5.17 | 理科実験の可能性を探る -高校・大学での実践例と東北大学の挑戦- |
基調講演者1名 (北大), 現状報告者3名 |
106名 | DL |
第8回 H20.5.16 | 高校教育と大学入試:「AO入試」の10年を振り返る -接続関係の再構築に向けて- |
基調講演者2名 (東北大,福井大), 現状報告者3名 |
177名 | DL |
第10回 H21.5.15 | 高大連携活動:学習意欲の喚起と大学への橋渡し -大学体験型イベントの教育効果と大学入試- |
基調講演者2名 (新潟大,長崎大), 現状報告者3名 |
122名 | DL |
第12回 H22.5.21 | 良質な大学入試問題の条件 -テストの理論と現場の工夫- |
基調講演者2名 (中京大,東北大), 現状報告者3名 |
207名 | DL |
第14回 H23.9.2 | 学習指導要領と大学入試 -高大接続の原点を探る- ※東日本大震災による日程変更, 国立大学協会平成23年度大学改革シンポジウムとの共催 |
基調講演者1名 (大学入試センター), 現状報告者3名 |
158名 | DL |
第16回 H24.5.18 | 進路指導と受験生心理 -大学選びのメカニズムを探る- |
基調講演者2名 (筑波大,佐賀大), 現状報告者3名 |
205名 | DL |
第18回 H25.5.24 | 「書く力」を伸ばす -円滑な高大接続のために- | 基調講演者1名 (筑波大), 現状報告者3名 |
180名 | DL |
第20回 H26.5.16 | グローバル人材の育成に向けて -これからの高校教育・大学教育における課題- |
基調講演者2名 (文部科学省,東北大), 現状報告者3名 |
171名 | DL |
第22回 H27.5.15 | 大学入試改革にどう向き合うか -中教審高大接続答申を受けて- |
基調講演者2名 (京大,阪大), 現状報告者2名 |
355名 | DL |
第24回 H28.5.16 | 大学入試における共通試験の役割 -センター試験の評価と新制度の課題- |
基調講演者2名 (東大,東北大), 現状報告者2名 |
374名 | DL |
第26回 H29.5.12 | 個別大学の入試改革 -東北大学の入試設計を事例として- |
基調講演者1名 (東北大), 現状報告者4名 |
427名 | DL |
第28回 H30.5.21 | 「主体性」とは何だろうか -大学入試における評価とその限界への挑戦- |
基調講演者1名 (佐賀大), 現状報告者4名 |
403名 | DL |
第30回 R1.5.15 | 入試制度が変わるとき | 基調講演者2名 (筑波大,東北大), 現状報告者3名 |
371名 | DL |
第32回 R2.9.23 | 大学入試を設計する -「大学入試研究」の必要性とその役割- ※コロナ禍による日程変更, オンラインと対面のハイブリッド企画 (オンライン参加者284名,来場参加者91名) |
基調講演者2名(東北大2名), 現状報告者3名 |
375名 | DL |
第34回 R3.5.17 | 検証 コロナ禍の下での大学入試 ※国立大学アドミッションセンター連絡会議との共催, オンラインと対面のハイブリッド企画 (オンライン参加者472名,来場参加者57名) |
基調講演者2名 (九州大,東北大), 現状報告者3名 |
529名 | DL |
第36回 R4.5.18 | 大学入試政策を問う ―教育行政と教育現場の『対話』― オンラインと対面のハイブリッド企画 |
基調講演者2名 (国立教育政策研究所,東北大), 現状報告者2名 |
541名 |