高大連携活動
第42回東北大学高等教育フォーラムを開催しました
2025年9月22日(月),東北大学青葉山コモンズを会場として,第42回東北大学高等教育フォーラム「コロナ禍は大学入試をどう変えたのか」を開催しました。
本フォーラムは,大学入学者選抜における技術的な問題,諸外国と比較した日本の特徴,高校教育の変化など,幅広い切り口からわが国の大学入試における「コロナレガシー」に関する分析を試みることを目的として開催いたしました。
当日は,「来場参加」と「オンライン参加」によるハイブリッド方式での開催となりましたが292名が参加し,関心の高さをうかがわせました。
開会にあたり,宮本友弘教授,文部科学省高等教育局大学振興課大学入試室の片柳成彬室長による挨拶があり,続いて,倉元直樹教授が「コロナ禍の教訓 ――『日本型』大学入試の本質とその変容」,大学入試センターの寺尾尚大准教授が「コロナ禍における日本の大学入試の強靭さと脆弱さ ―― オンライン面接とCBTの分水嶺は?」,林如玉助教が「COVID-19による教育環境の変化と大学選択行動 ―― 日中の高校生比較から」,新潟県立新潟高等学校の山﨑健太教諭が「地方公立高校の現場から見たコロナ禍の影響 ―― 生徒と保護者が受けた心理的制限」と題して話題提供を行った後,上智大学特任教授 / オックスフォード大学名誉教授・東京大学名誉教授の苅谷剛彦氏を指定討論者とし各種討論が行われました。
最後に,滝澤博胤アドミッション機構長より「大学全入時代といわれて久しいにもかかわらず,この30年間で入学者選抜の本質は果たして真に変革されたのだろうか。形式的な変更はあっても,選抜の根本的な考え方や方法論は依然として従来の枠組みにとどまっているのではないか。本日ご参加いただいた高校や大学など多様な立場の皆様に,入試制度の表層的な変化ではなく本質的な変革について,今一度立ち止まって考えるきっかけとなれば幸いである」旨の発言があり,フォーラムを締めくくりました。
東北大学高等教育フォーラム開催一覧(高大連携関係)
東北大学高等教育フォーラムは年2回,春と秋に開催しており,特に春の部においては高校と大学との関係を取り上げ,高大連携や高大接続について議論を行っています。
実施日 | タイトル | 講演・現状報告 | 参加人数 | 報告書 |
---|---|---|---|---|
第1回 2004.12.13 |
新時代の大学教育を考える -新教育課程における高校理科教育の現状- |
基調講演者2名 (広島大,東北大), 現状報告者3名 |
58名 | DL |
第2回 2005.5.20 |
新時代の大学教育を考える(2) -高校での数学教育の現状と東北大学の入試・教育の課題- |
基調講演者2名 (東北大,慶応大), 現状報告者3名 |
143名 | DL |
第4回 2006.5.18 |
新時代の大学教育を考える(3) -高校英語教育の現状と東北大学における英語教育- |
基調講演者2名 (茨城大,東北大), 現状報告者3名 |
124名 | DL |
第6回 2007.5.17 |
理科実験の可能性を探る -高校・大学での実践例と東北大学の挑戦- |
基調講演者1名 (北大), 現状報告者3名 |
106名 | DL |
第8回 2008.5.16 |
高校教育と大学入試:「AO入試」の10年を振り返る -接続関係の再構築に向けて- |
基調講演者2名 (東北大,福井大), 現状報告者3名 |
177名 | DL |
第10回 2009.5.15 |
高大連携活動:学習意欲の喚起と大学への橋渡し -大学体験型イベントの教育効果と大学入試- |
基調講演者2名 (新潟大,長崎大), 現状報告者3名 |
122名 | DL |
第12回 2010.5.21 |
良質な大学入試問題の条件 -テストの理論と現場の工夫- |
基調講演者2名 (中京大,東北大), 現状報告者3名 |
207名 | DL |
第14回 2011.9.2 |
学習指導要領と大学入試 -高大接続の原点を探る- ※東日本大震災による日程変更, 国立大学協会平成23年度大学改革シンポジウムとの共催 |
基調講演者1名 (大学入試センター), 現状報告者3名 |
158名 | DL |
第16回 2012.5.18 |
進路指導と受験生心理 -大学選びのメカニズムを探る- |
基調講演者2名 (筑波大,佐賀大), 現状報告者3名 |
205名 | DL |
第18回 2013.5.24 |
「書く力」を伸ばす -円滑な高大接続のために- | 基調講演者1名 (筑波大), 現状報告者3名 |
180名 | DL |
第20回 2014.5.16 |
グローバル人材の育成に向けて -これからの高校教育・大学教育における課題- |
基調講演者2名 (文部科学省,東北大), 現状報告者3名 |
171名 | DL |
第22回 2015.5.15 |
大学入試改革にどう向き合うか -中教審高大接続答申を受けて- |
基調講演者2名 (京大,阪大), 現状報告者2名 |
355名 | DL |
第24回 2016.5.16 |
大学入試における共通試験の役割 -センター試験の評価と新制度の課題- |
基調講演者2名 (東大,東北大), 現状報告者2名 |
374名 | DL |
第26回 2017.5.12 |
個別大学の入試改革 -東北大学の入試設計を事例として- |
基調講演者1名 (東北大), 現状報告者4名 |
427名 | DL |
第28回 2018.5.21 |
「主体性」とは何だろうか -大学入試における評価とその限界への挑戦- |
基調講演者1名 (佐賀大), 現状報告者4名 |
403名 | DL |
第30回 2019.5.15 |
入試制度が変わるとき | 基調講演者2名 (筑波大,東北大), 現状報告者3名 |
371名 | DL |
第32回 2020.9.23 |
大学入試を設計する -「大学入試研究」の必要性とその役割-(YouTube動画を再生します) ※コロナ禍による日程変更, オンラインと対面のハイブリッド企画 (オンライン参加者284名,来場参加者91名) |
基調講演者2名(東北大2名), 現状報告者3名 |
375名 | DL |
第34回2021.5.17 | 検証 コロナ禍の下での大学入試(YouTube動画を再生します) ※国立大学アドミッションセンター連絡会議との共催, オンラインと対面のハイブリッド企画 (オンライン参加者472名,来場参加者57名) |
基調講演者2名 (九州大,東北大), 現状報告者3名 |
529名 | DL |
第36回2022.5.18 | 大学入試政策を問う ―教育行政と教育現場の『対話』―(YouTube動画を再生します) オンラインと対面のハイブリッド企画 (オンライン参加者434名,来場参加者107名) |
基調講演者2名 (国立教育政策研究所,東北大), 現状報告者2名 |
541名 | DL |
第38回2023.5.17 | 国立大学におけるアドミッションセンターの現在と将来 ―よりよい大学入試の実現を目指して―(YouTube動画を再生します) オンラインと対面のハイブリッド企画 (オンライン参加者366名,来場参加者111名) |
基調講演者1名 (東北大), 現状報告者2名 |
477名 | DL |
第40回2024.9.27 | 大学入試の多様化を考える ―新学習指導要領と総合型選抜の拡大―(YouTube動画を再生します) オンラインと対面のハイブリッド企画 (オンライン参加者285名,来場参加者146名) |
基調講演者1名 (東北大), 現状報告者2名 |
431名 | DL |
第42回2025.9.22 | コロナ禍は大学入試をどう変えたのか オンラインと対面のハイブリッド企画 (オンライン参加者151名,来場参加者141名) |
話題提供者4名 | 292名 |